発起人に聞く fuZeが目指す未来とは?
プロフィール :
山田秀人(ヤマダヒデト) Yamada Hideto fuZeの発起人であり、メディアクリエイター。楽曲と同期したコンセプチュアルな映像表現で、過去に日本のファンクロックバンド"Theatre Brook"や、ダンスミュージックユニット"SUN PAULO"のライブビジュアルを手掛けるなど、ライブパフォーマンスとしてのビジュアルプロジェクションを行う。また、映像のみにとどまらず、ゲーム、WEB、アプリなどさまざまなメディアで活躍中。2013年12月に開催されたイベント"fuZe Vol.2"では、fuZeのために開発されたVJソフト"vjkit(powered by Unity)"でビジュアルパフォーマンスを行った。LiveALife inc.代表。 http://livealife.co.jp
●なるほど!fuZeはこれまで2回開催していますが、それぞれの詳細を教えていただけますか?
はい。fuZe Vol. 1 は、ワークショップ(全4回開催)を2013年2月12日~3月5日に3331 Arts Chiyodaにて、またクラブイベントを2013年3月18日に渋谷WWWで開催しました。
このときは、「Unityを使ってVJをしよう」というテーマで、僕と繋がりのあるさまざまなゲストに来ていただいたんです。
●具体的にはどのようなゲストがいらっしゃたんですか?
まず、ワークショップでは、国内外の数々のアーティストとVJで共演している”100LDK”に、音楽家の斉藤尋己さんとワークショップ内で共演していただき、「VJとは何か?」から解説を交えながら実演していただきました。
また、パントマイムアーティストの荒木シゲルさんがゲストの回には参加者全員でパントマイミングを体感し、さらに彼の動きをキャプチャーしたモーションデータを、fuZeのために開発されたVJ環境”vjkit”の素材としても使えるようにしたり、さらに、ワークショップ最後となる4回目には、映画『鉄コン筋クリート』の監督であるCGクリエイターのマイケル・アリアスさんに来ていただき、「映像のシーンをより良くする魔法」というテーマでトークセッションを行いました。
●その後、クラブイベントの”fuZe Vol. 1″を開催したわけですね。
そうです。渋谷で開催したクラブイベントでは、ワークショップの参加者たちが”vjkit”を利用して制作した(インタラクティブにオーディオに反応する)UnityのシーンデータをVJ素材(映像)として、プロのVJに委ねてパフォーマンスを行ってもらいました。
このように、「自分が作ったものがプロのアーティストのステージで実際に使われ、パフォーマンスの一部になっている」という喜びを参加者に味わってもらったのがfuZe Vol. 1です。
●そして、そこからfuZe Vol. 2の開催に繋がるのですね。
はい。せっかくリアルタイムに映像をジェネレートできるのだから、VJ素材を作るだけではなく、「自分たちもパフォーマンスをしよう」というテーマで開催したのがVol. 2です。 Vol. 1を体感したUnityさんからも「作るだけでなく、創る人にもっとスポットライトをあてたい」ともらっていたことも、大きな後押しとなりました。
Vol. 2のワークショップ(全3回開催)は2013年11月~12月に3331 Arts Chiyodaにて、またクラブイベントは2013年12月27日に渋谷WWWで開催しました。
Vol. 2は、ワークショップの参加者に、イベントのサブステージにてミュージシャンと共に制作したパフォーマンスを自らもステージに上がり、発表してもらいました。
参加者およそ40人を2チームそれぞれ4グループずつに分け、それぞれのチームにプロのミュージシャンに入っていただき、参加者とミュージシャンが一緒になってパフォーマンスを作り上げていったかたちです。
●なぜVol. 2はテーマを変えたのですか?
パフォーマンスの完成度を高めるためにも、クリエイター(制作者)側が作りっ放しにならないようミュージシャンとの意思疎通を図り、その意向を汲みながら映像制作を手掛けていくこと、自らのパフォーマンスで完成する作品になることに主眼を置きたかったんです。そこがVol. 1との違いです。
Vol. 2は、単に映像を作るだけでなく、ミュージシャンとステージパフォーマンスをすることを前提とした制作になるため、ミュージッククリップのような音楽の展開に合わせた映像の変化や、ミュージシャンのオペレーションに合わせたステージパフォーマンスが必要になります。
その甲斐あってか、2チームとも非常に素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。
: